住宅性能チェック基準|耐震・断熱・省エネを見極めるポイント

なぜ性能を知らずに工事してはいけないのか?
見た目より重要なのは「構造と断熱」です。
性能(断熱性、気密性、耐震性、耐久性など)を知らずに
工事をしてはいけない理由は、
建物に深刻な構造的欠陥や快適性の低下を招き、
結果として多額の補修費用が発生したり、
資産価値が大きく落ちたりするリスクがあるためです
耐震性能の基準
旧耐震と新耐震
1981年以前は旧基準。
付け加えますと
旧耐震基準(1981年5月31日以前の建築確認)は
震度5強程度で倒壊しない基準に対し、
新耐震基準(同年6月1日以降)は
震度6強〜7程度の大地震でも倒壊しないことを
目標とした、より厳しい基準です。
新耐震は、大地震時に人命を守るための
避難・救命空間の確保が重視されています。
耐震等級1・2・3の主な違い
等級3が最高レベル。
耐震等級1~3は、
住宅性能表示制度に基づく
地震に対する強さの指標。
等級1は建築基準法レベル
(震度6〜7で倒壊しない)、
2は1.25倍、3は1.5倍の強度を誇る。
等級3は消防・警察など
災害拠点並みの最高等級で、
大地震後も住み続けられる可能性が高い。
耐震補強金物
概要説明
耐震補強金物とは、
柱・梁・土台・基礎を強固に連結し、
地震時の揺れによる倒壊や損傷を
防ぐための金属製接合部材です。
特に2000年以降の
建築基準強化以前の住宅では、
接合部が弱いケースが多く、
金物補強は費用対効果の高い
耐震対策といえます。
木造住宅では、接合部が外れることが
倒壊の主因となるため、金物補強は
「家の骨を固定するボルト」
のような役割を果たします。
主な耐震補強金物の種類
・ホールダウン金物(柱の引き抜き防止)
・筋交いプレート(金物補強)
・羽子板ボルト(梁接合部補強)
・アンカーボルト(基礎と土台の固定)

↑【基礎補強工事】増し打ちコンクリートで耐震性を向上
断熱性能の基準
UA値とは?
数値が低いほど高性能。
住宅のUA値(外皮平均熱貫流率)は、
建物から熱がどれくらい逃げやすいか
を表す、断熱性能の指標です。
数値が小さいほど熱が逃げにくく、
冬は暖かく夏は涼しい
高断熱・省エネ住宅を示します。
2025年以降の新築はUA値0.87以下が
義務基準となります。
ZEH基準とは?
断熱性・省エネ・創エネの3要素で基準を満たす住宅です。
具体的には、ZEH(ゼッチ:)基準とは、
(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
断熱・省エネ・創エネの技術を組み合わせ、
年間の一次エネルギー消費量が
「実質ゼロ以下」となる住宅の基準です。
高い断熱性(UA値)、省エネ機器、
太陽光発電などでエネルギーを自給自足し、
生活の快適性と環境負荷低減を両立させる仕組みです。
1. ZEH基準の3つの主要な要件
- 強化外皮基準 (断熱性):
窓や壁の断熱性能を大幅に高める
(地域によりUA値0.4~0.6以下)。 - 省エネ基準 (20%以上削減):
高効率なエアコン、給湯器などを採用し、
従来比で一次エネルギー消費量を
20%以上削減する。 - 創エネ基準 (太陽光発電等):
太陽光発電システムなどを導入し、
エネルギーを創り出す。
結果: 上記3つを合計し、
年間の一次エネルギー消費量が
基準比で100%以上削減されること。
2027年以降は
削減率35%や断熱等級6へ強化予定です。
2. ZEHの種類
- ZEH:
上記の要件すべて(100%以上削減)をクリア。 - Nearly ZEH:
太陽光の発電量が少ない地域
(寒冷地や日照時間少)でも対応でき、
75%以上100%未満の削減率で許容。 - ZEH Oriented:
都市部の狭小地などで太陽光パネルが
載らない場合、断熱・省エネのみで
要件をクリア(創エネ不要だが基準は高め)。
劣化チェックポイント
☑ 床下湿気
☑ 基礎ひび割れ
☑ 雨漏り跡
ZEHの性能を維持し、
劣化を防ぐための主なチェックポイントは、
「太陽光発電システムなどの創エネ設備」、
「高断熱な外皮(窓・壁・屋根)」、
「高効率な省エネ設備」
の3つの要素に分類できます。
具体的には以下の項目を定期的に
確認・メンテナンスすることが重要です。
- 1. 創エネ設備・電気設備のチェックポイント
(太陽光・蓄電池・HEMS) -
ZEHの要である「エネルギー収支ゼロ」を
維持するためのチェックポイントです。- 太陽光パネルの汚れ・破損・設置状態
- 枯れ葉や鳥の糞、ごみの
付着による発電効率低下。 - 架台のゆるみ、パネルの
破損やヒビ(ホットスポット)の点検。
- 枯れ葉や鳥の糞、ごみの
- パワーコンディショナ(PCS)の動作・寿命
- 太陽光パネルよりも寿命が短い
(約10〜15年で交換時期)ため、
エラー表示や異音がないか定期点検。
- 太陽光パネルよりも寿命が短い
- 太陽光パネルの汚れ・破損・設置状態
- 2. 断熱・気密性能のチェックポイント(外皮)
-
断熱材の劣化や、窓・隙間からの熱逃げを確認します。
- 窓・サッシの結露・隙間風
- 高性能樹脂サッシや複層ガラスに
結露や歪みがないか。
気密テープやパッキンの剥がれ。
- 高性能樹脂サッシや複層ガラスに
- 断熱材の性能維持(結露・シロアリ)
- 断熱材の耐用年数は20〜40年程度。
床下、小屋裏、壁内部の断熱材が
湿気で湿っていないか、
シロアリ被害に遭っていないかの点検。
- 断熱材の耐用年数は20〜40年程度。
- 外壁の防水・亀裂
- コーキング(シーリング)の劣化による
水分の侵入は断熱性能を
著しく低下させるため、
外壁の定期的な塗り替え・補修。
- コーキング(シーリング)の劣化による
- 窓・サッシの結露・隙間風
- 3. 省エネ設備(給湯・換気・エアコン)のチェックポイント
-
- 換気システムのフィルター清掃
- ZEHは高気密なため、計画換気が必須。
フィルターの目詰まりは
熱交換効率や空気の質を低下させます。
- ZEHは高気密なため、計画換気が必須。
- 給湯器(エコキュート等)の動作と寿命
- お湯の出は良いか、
タンク周辺に水漏れはないか。
- お湯の出は良いか、
- 高効率エアコンの故障
- フィルターの掃除と、
冷暖房能力の低下がないか確認。
- フィルターの掃除と、
- 換気システムのフィルター清掃
ZEHの性能を長持ちさせるポイント
素人判断=危険
プロ診断によるメンテナンスを推奨します。
ZEHの性能(高い断熱性、省エネ性、創エネ性)
を長持ちさせるためには、
構造躯体、設備機器、太陽光発電システムの
それぞれに対する
定期的なメンテナンスと適切な運用が不可欠です。
主に「断熱・気密性能の維持(物理的対策)」と
「創エネ・省エネ設備の維持(点検・交換)」が
ポイントとなります。
- point1. 断熱性能・気密性能の維持(躯体)
-
ZEHの要である「暑さ・寒さの影響を受けにくい家」を維持するポイントです。
- 防水・防水・防水: 断熱材(特にグラスウール)は湿気を吸うと性能が著しく低下します。屋根、壁、基礎の防水点検(防水シートの破れ、コーキングの劣化)を10年を目安に行い、雨漏りや内部結露を防ぎます。
- 気密性の維持: 窓枠や配管周りのコーキング劣化は隙間風(熱損失)の原因になります。窓を高断熱仕様(樹脂サッシなど)のまま良好な状態に保つため、動きの悪いサッシや建具は早急に調整します。
- 吹き付け断熱の点検: フォームライト等の吹き付け断熱の場合、経年による収縮や剥がれがないか、点検時に確認します。
- point 2. 太陽光発電システムのメンテナンス(創エネ)
-
エネルギーを生み出す太陽光パネルは、放置すると発電効率が低下するため、定期的なメンテナンスが必須です。
- パネルの清掃・点検: 10年程度経過したら、汚れや飛来物による影、パネルの損傷・固定金具の緩みを点検します。
- パワーコンディショナ(パワコン)の交換: パワコンは通常10〜15年で寿命を迎えるため、故障前、もしくは10年程度を目安に交換(メンテナンス)が必要です。これが最も重要なメンテナンスです。
HEMS(ヘムス)の活用: HEMSで日々の発電量と消費量を可視化し、異常を早期に発見します。
- point 3. 省エネ設備・換気システムの点検・管理
-
- 熱交換型換気システムの掃除: 高気密住宅では換気システムが重要です。フィルターの掃除を数ヶ月〜1年に一度行い、本体を10〜15年でメンテナンス・交換します。汚れたままでは換気効率が落ち、結露の原因になります。
- 高効率給湯器・エアコンの点検: エコキュートや高性能エアコンは消耗品です。10年を過ぎたら不具合が出やすくなるため、定期的な点検と修理・交換を計画します。
- point 4. 計画的な点検(長期優良住宅との連携)
-
ZEHは「エネルギー自給自足」が主眼ですが、長く住むためには「長期優良住宅」の基準にあるような、10年ごとの定期点検・修繕計画(メンテナンス計画)を立てることが有効です。
- point 5. 正しい使い方
-
- 過剰な負荷を避ける: 蓄電池がある場合、頻繁な満充電や空充電を避けることで寿命が延びます。
- 室内の調湿: 夏場はエアコンの除湿、冬場は加湿器の適切な利用により、建物全体の結露を抑え、断熱材と木材を守ります。
ZEH性能を長持ちさせる まとめ
ZEHの性能は放置すると10年〜15年で低下し始めます。
太陽光のパワコン、
換気フィルター、
防水・コーキング、
断熱材の湿気対策
の4点を重点的にメンテナンスすることで、
高性能な状態を長く保つことができます。
ZEHは
「創エネ(太陽光など)」と
「省エネ(断熱・設備)」が
連携して成り立っているため、
いずれかの機能が低下すると
光熱費収支がプラス(赤字)になってしまいます。
目安として10年に一度は専門業者による
全体的なメンテナンスを行うことをお勧めします。
太陽光導入時のメンテナンスに関する打合せ
太陽光発電システムを導入する際、
メンテナンス(保守・点検)に関する打ち合わせは、
長期間安全に安定した売電・自家消費を
行うために非常に重要です。
太陽光発電は「設置して終わり」ではなく、
FIT法などによりメンテナンスが
推奨・義務化されている分野です。
以下の5つのポイントに分けて
業者と確認・打ち合わせを行いましょう。
- 1. 定期点検の頻度・内容・費用(義務化への対応)
-
太陽光発電は、不具合の早期発見が発電量維持に不可欠です。
- 点検頻度: 一般的に「1年目」「5年目」「10年目」「15年目」「20年目」など、5年ごとの定期点検が推奨されています。
- 点検項目: 目視点検(パネルの割れ、汚れ、架台のサビ)、電気点検(電圧、パワーコンディショナーの動作、配線の絶縁抵抗値)。
- 費用相場: 1回あたり約1万〜3万円程度が相場ですが、足場が必要な場合、別途5万〜10万円程度加算されることもあります。
- 確認点: 定期点検が契約に含まれているか、別料金か、具体的な実施頻度は何かを確認しましょう。
- 2. 保証内容の確認(最重要)
-
メーカー保証と施工業者保証の違いを明確にします。
- パネル保証(出力保証): 通常10〜25年程度。
- 機器保証(製品保証): パワコンや接続箱など。通常10〜15年程度。
- 自然災害補償: 台風や雪害、落雷による故障・破損がカバーされるか。
- 確認点: 故障時に「修理・交換にかかる手間や費用はどこまでが無料か」「保証の免責事項(どのような故障が保証対象外か)」を確認しましょう。
- 3. パワーコンディショナー(パワコン)の交換時期と費用
-
パワーコンディショナーは寿命が10〜15年とパネルより短く、ほぼ確実に交換が必要です。
- 確認点: 10〜15年後に交換が必要になった場合の「機種・工事費用」の概算を確認する。
- 確認点: メーカー保証が切れる前に、点検や交換を促してくれる体制があるかを確認する。
- 4. 遠隔監視システムの有無
-
毎日屋根に登ることはできないため、発電量の低下や故障をリアルタイムで検知できる「遠隔監視システム」の導入は必須です。
確認点: 発電量低下をスマホ等で確認できるか、異常時に業者へ通知が届く仕組みがあるか。
- 5. 清掃・メンテナンスの必要性
-
パネルの汚れ(鳥の糞や砂埃)は基本的に雨で流れますが、著しい汚れは発電効率を下げるため、清掃が必要な場合があります。
- 確認点: パネル清掃の必要性、業者に依頼した場合の費用(パネル1枚500円〜1,000円が相場)。
- 確認点: 屋根の防水加工への影響はないか(長期間の設置による雨漏りリスク)。
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